面白い企画

「最近のリアンはウイスキーだけじゃなく、ノンアルとか新ジャンルでもヒット出せなくて他社に差をつけられてるだろ。商品力の問題もあるかもしれないけど最近のリアンのプロモーションで話題になったのって、思い浮かばないだろ。リアンも大きな声では言えないけど、このコンペを機に、メインの代理店の見直し考えてるってとこだよ」

 

 

「それで神様、岡田様が出ていく、ってことですね」

 

 

「課長も言ってたろ。単発なんかでおわらせないよ。コンペまで忙しくなるから、覚悟しとけよ」

 

 

爽やかイケメンと称される顔にニヤリと悪だくんだような笑みを浮かべた。

 

 

岡田さんがこういう顔をするときは、面白い企画が動くとき。

 

話を聞いただけで、ワクワクしてきた。
土曜から沈みっぱなしだった気分が浮上した。

 

 

真弘のことなんか思い出す暇もないくらい仕事に打ち込もう。

 

そう、気合をいれた。

 

午後からの打合せに集ったメンバーを見て、ますます私の気分は上がっていった。

 

 

岡田さんがいつもコンペで組む、クリエイティブディレクターの森さんと「チーム森」と呼ばれるみなさんだった。

 

 

社内でも最強メンバーと言われていてコンペ負けなしの岡田さんを支えているクリエイティブチーム。

 

 

 

この日は役割分担、スケジュールの確認がメインだった。
咲季ちゃん、次回ブレストするから、資料整理とテーマ案いくつかよろしくね」

 

 

あくまで小間使い的役割をイメージしていたのに、どうやら岡田さんの思惑は違ったようで。。。

 

 

「咲季ちゃん、戦力として期待してるから。よろしくね」

 

 

森さんまで追い打ちをかけてくる。

 

 

この人たちの仕事をそばで見れるなんてラッキー、と軽い気持ちでいたのに一気に緊張感が襲ってきた。

 

「岡田さん・・・」

 

 

「そんな顔するなって。今回は周年っていうことしか設定されてないでしょ。だからターゲットをどこに置くか、からこっちの自由。打合せの回数増えちゃうけど丁寧に進めたいんだ。一緒にやるぞ。」

 

 

そう言って、乱暴に私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
その日からは、残業漬けの日々。

 

 

日中は自分がメインで担当するクラインの仕事を進めつつ、夜は帰社した岡田さんと一緒にリアンウイスキーについて徹底的に調べることから始めた。

 

企画自体に詰める内容が多く、集まれるメンバーで2日に1回というハイペースでの打合せを重ねていた。

 

 

「M1層をターゲットにするとしても、カジュアルにとか飲み方提案しても、これまでのイメージ拭いきれないと思うんです。そうじゃなくて、提供価値をどこに置くかって考えた方がいいんじゃないかって」

 

 

昨日の夜中、1人資料を眺めながらデスクで感じていたことを話した。